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WTO事務局長選出手続き、候補者5人に 韓国候補は脱落免れる

 【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO・本部ジュネーブ)は18日、空席となっている事務局長の選出作業で、8候補を5候補に絞り込んだと発表した。残った5候補は10月上旬にも2候補に絞り込まれた後、最終的に次期事務局長が選出される。韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は5候補に残り、次の選出手続きに進んだ。

 WTOは今月7日、事務局長の選出手続きを開始した。手続きは計3回に分けて実施され、今回の第1ラウンドで男女5人の候補に絞り込まれた。

 第1ラウンドを突破したのは、女性は兪氏のほか、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相、ケニアのモハメド元外相が残った。男性はサウジアラビアのトワイジリ元経済・企画相、英国のフォックス前国際貿易相。

 第2ラウンドではさらに3人が除かれて2人の候補者に絞られ、第3ラウンドで最後の1人が決まる。事務局長の選出は合意形成を重視するため、原則、投票という形はとらず、計3回のラウンドで500近くの非公開の協議が実施されるという。

 歴代の事務局長に女性やアフリカ出身者がいないことから、次期事務局長にはオコンジョイウェアラ氏とモハメド氏の2人が有力視されている。昨年7月に日本による輸出管理厳格化措置が発動されて以来、日本を批判してきた兪氏が選出される可能性は低いとみられているが、日本政府内では警戒感が広がっている。

 一方、WTOは今年11月上旬までの次期事務局長選出を目指しているが、米中対立が貿易面などで激しさを増す中、難航は必至の情勢で、決着は来年までずれ込む可能性もある。

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