海外情勢

「孔子学院」本部を改称か 関係者否定、海外の警戒心解く狙い?

 中国政府はこのほど、国外の中国語普及の拠点としている「孔子学院」本部の名称を変更する通知を出した。香港メディアが伝えた。孔子学院は米国など国際社会から中国共産党・政府の主張や思想を浸透させるための宣伝機関として問題視されており、改称は警戒心を解く狙いとの見方が出ている。

 孔子学院本部は5日、中国教育省が「中外言語交流協力センター」を設立したと発表した。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、教育省はこれに伴い、孔子学院本部の名称を同センターに変更する内部通知を出した。

 ただ孔子学院本部は、政府系組織が担ってきた同学院の運営を、大学や企業などが新設した民間の基金会が担うことになったと説明。基金会関係者は中国メディアに「学院の名称は変更していない」と、報道の一部を否定した。

 中国は2004年、韓国に孔子学院を初めて設立。文化面などの国力「ソフトパワー」を国外で強化するための拠点として拡大させ、これまでに日本を含む162カ国・地域の約540カ所の大学などに設立している。

 近年は、授業内容に中国政府の意向が反映され過ぎているとの批判があるほか、資金力を背景にした進出先大学での影響力強化や、スパイ拠点化などへの懸念が拡大。米国などで閉鎖の動きが相次いでいる。中国共産党系新聞の環球時報は、孔子学院の運営方法の変更について「(西側諸国の)誤解を解くことにつながる」との専門家の見解を伝えた。(北京 共同)

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