新型コロナウイルスの経済対策として、国民1人に10万円を配る国の特別定額給付金をめぐり、大阪市の松井一郎市長は1日の記者会見で、同日現在の給付率が10・9%にとどまることを明らかにし、「僕も含めて給付作業への認識が甘かった」と陳謝した。市は作業人員を増やすなどし、6月中の申請分については7月中に給付する方針。実現すれば約9割への給付が完了する。
全国の給付率が約7割(6月26日時点)となる中、市の給付スピードは政令市の中でも目立って遅く、松井氏は業務改善を指示していた。
松井氏は会見で、遅れの要因について、委託事業者が作業に慣れておらず、準備不足があったと説明。オンライン申請で多発したミスへの対応に追われたことも響いたとした。このため、作業人員を当初の約300人から約630人態勢に増強し、機器の増設や審査方法も改善したという。
市は今回、リーマン・ショックを受けた平成21年の定額給付金制度の作業を経験した事業者ではなく、過去にプレミアム付き商品券の発券作業を担当した事業者を選定。松井氏は「当時とは全く状況が違った。市も事業者も、作業の煩雑さを理解しきれていなかったことが問題だ」と話した。