米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は29日、景気後退の底打ちの兆しがみえる米経済の「新たな課題」として「新型コロナウイルス感染症を抑制し続ける必要性」を挙げた。米国内では早期に規制を緩和した南部や西部州を中心に感染が再び拡大しており、経済への影響に対する懸念を表明した。
30日に予定する議会下院の金融委員会での証言原稿を事前に公表した。米経済の先行きは「極めて不透明だ」との見方を改めて示した上で、今後の道筋は「政府のあらゆるレベルで、必要な限り長く景気回復を支える政策を取ることに懸かっている」とした。
経済再開に伴う雇用者の増加や個人消費の回復を例に挙げ、米経済は「予想よりもとても早く、重要な新たな局面に入った」とも指摘。経済活動の活発化は歓迎すべきだとしつつも、感染再拡大へ強い警戒感を示した。(共同)