=(8)から続く
--米ハーバード大学の研究では、外出規制を解除するたびに反動で感染が広がる可能性があり、今の医療体制のままでは、2022年まで断続的に人間の行動を抑制する必要があると指摘された。今後、緊急事態宣言の有無にかかわらず、対象期間が終わった後も、繁華街への外出自粛要請などは当面継続するか。
「例えば過去に、スペイン風邪の大流行があった。あのときも、一旦収まった後、再び感染が拡大して大きな被害が出た。こういう教訓にも学ばなければならないと思いますが、今回の新型コロナウイルスについては、まさに未知のウイルスであり、十分に確信を持って予見することはできない。ということは申し上げなければならないと思います。その上においてですね、(宣言の期間が終わった)以降どうなるか。夜の飲食店などへの外出も含めて、どうするかということについては、今から断定的なことを申し上げることはできません」
「これはやはり、いわゆる政治的に決めることではなくて、専門家の皆さまの意見をおうかがいした上で判断をしたいと思っております。夜の街については、特にこれは『3密』ということもあり、夜の街はクラスター(感染者集団)が発生しておりますので、全国に広げたことを機会にですね、全国で夜の街への外出はできる限り控えていただきたいと思います。その上で、(対象期間が終わる)5月7日以降どうなるかっていうことについては、(基本的対処方針等諮問委員会の)尾身茂会長からお話も伺いたいと思います」
尾身氏「先ほど首相は申し上げたと思うんですけど、これは基本的にはわれわれ専門家も、5月の6日どんな結果があるにしろ、それでゼロに感染がなるということはないので、下火になっても小さな山はその後続くというのがわれわれの見込みです。したがって、どのぐらいいわゆる国民への協力要請の程度を下げるかどうかというのは、5月6日時点での評価によると思いますが、一つだけ今の時点でほぼ間違いなくいえることは、感染が仮に下火になっても全くゼロになることはあり得ませんので、小さな山がまた何度か繰り返してくるということは当分覚悟をしておいた方がよいと思います」
尾身氏「で、その小さな山がどのぐらいになるかというのはいろんな要素の積分でありますから、そのときの感染のレベルに応じて対策を、言ってみればガードを、厳しい非常にしたたかなウイルスとわれわれ今対処しているわけですから、相手の動きによって、ガードを少し上げたり下げたりすることは当然必要になってくると思います」
--新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でも選挙は延期されていない。感染拡大が進む中で行われた選挙の投票率は軒並み下がっている。郵送投票やインターネット投票、選挙の延期などを検討するか。この記者会見は参加者が限定されている。こういう形での会見を可能にしている記者クラブ制度をどう思うか。
「まず、この状況の中で選挙をどうするかという話でございました。例えば韓国では先般、いわば総選挙が行われたわけでございますし、また延期したところもあるわけであります。現在、日本においては衆院(静岡4区)の補欠選挙は行っています。民主主義の根幹である選挙については、いわば不要不急のものではないという判断の中において、感染リスクを避けながら実行をさせていただいています」
「ただ、今、インターネット投票とかいろんな手段がありますよねっていうお話がありました。ただ、今の法制下では、それはできないのでございますが、今後、こうしたことを契機に、われわれも、例えば診療においても今度、初めて対面ではない形で診察をしていただくことになりました。こういう大きな変化の中で選挙もどう考えるべきかは当然議論していく必要が‥ま、あの、これはなるべく国会において、議員の皆さんが議論をしていただくべきことだろうなと、こう思っています。なるべく投票率を上げる努力はこういう中でもしなければいけないし、今後、どうすべきかということについては基本的には、基本中の基本であるこの選挙については、できる限り実施をしていくこととしたいと、こういうふうに考えています」
「それと記者クラブのあり方というのは、これまさに、これ私が申し上げることではないかもしれません。それはまた、まさに時代の流れの中において、今までのメディアがすべてカバーしているのかといえば、もうそうではない時代になり始めましたよね。ですから、その中でどう考えるかということについては、まさに皆さま方に議論もしていただきたいなと思います。ただ、自民党政権の中において、こうした形でご質問いただいたのは初めてのことだろうと思います。こうした形でできる限り皆さんの機会も確保していきたい。どうしてもしかし、首相としての質問の時間っていうのは、皆さんの質問を受けていると何時間にもなるっていうことにもなりますんで、ある程度時間は限らさせていただきたいと思いますが、なるべくそうした機会も増やしていきたいと思っています」
=(10)に続く