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首相記者会見全文(1)「できる限り人との接触を避けてほしい」

 安倍晋三首相は17日夕、首相官邸で記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を全都道府県に拡大したことなどについて説明した。記者会見の全文は次の通り。

 「緊急事態宣言を発出してから10日がたちました。この間、毎朝、店を開き、食品など生活必需品を棚に並べてくださっている皆さんがいます。レジの対応をしてくださっている皆さん。そして、物の流れを絶やすことのないよう、昼夜を分かたず配送に携わっている皆さんがおられます。緊急事態の中にあっても、私たちの生活を守るために、事業を、営業を継続してくださっている皆さまに心より感謝申し上げたいと思います」

 「高齢者の介護施設や保育所などでは多くの職員の皆さんが、感染予防に細心の注意を払いながら、必要とする方々のため、事業を続けてくださっています。電力やガス、水道の供給、ゴミの収集・焼却、鉄道の運行、こうした社会インフラがしっかりと維持されなければ、私たちの生活は成り立ちません。そのために日夜頑張ってくださっている皆さん。こうした皆さんの存在なくして、私たちは長期にわたるこのウイルスとの戦いに打ち勝つことはできません。目に見えない恐ろしい敵との戦いを支えてくださっているこうした全ての皆さまに心よりお礼を申し上げます」

 「そして、人と人との接触を最低7割、極力8割削減する、との目標の実現に向けて外出自粛の要請に応えてくださっている国民の皆さまに改めて感謝申し上げます。事業者の皆さまにも、在宅勤務を原則とするなど、多大なご協力をいただいています」

 「しかし、1日あたりの新規の感染者数は、まだ減少には至っていません。東京都では、本日過去最高の200人を超える感染者の報告がありました。大変厳しい状況です」

 「都市部の平日の人出は、感染拡大前と比べて、東京の渋谷周辺では6割程度、大阪の梅田周辺では7割程度減少していますが、いまだ目標のレベルには達していません。最低7割、極力8割の接触削減を実現できない限り、1日あたりの新規の感染者数を大きく減少に転じさせることは困難です」

 「累積の感染者数は、東京都ではすでに3000人に迫っています。大阪府でも1000人を超えました。各地で軽症者の皆さんに、ホテルなどで療養していただく取り組みも進んでいますが、医療現場からは悲鳴が上がっています。守れる命も守れなくなる。感染リスクと背中合わせの中で、現場の医師や看護師の皆さんの肉体的な、精神的な負担は限界に達しています」

 「皆さんに改めてお願いいたします。どうか外出を控えてください。できる限り人との接触を避けてください。そのことが医療現場を守り、多くの命を守ることになります。ひいては、皆さんや皆さんの愛する人たちを守ることにつながります。全ては私たち1人1人の行動にかかっています」

=(2)に続く

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