安倍晋三首相の16日の新型コロナウイルス感染症対策本部会合での発言全文は以下の通り。
本日、諮問委員会からも賛同いただき、4月7日に宣言した緊急事態措置を実施すべき区域を7都府県から全都道府県に拡大することとした。実施期間は5月6日までに変更はない。
まず北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県および京都府の6道府県については、現在の対象区域である7都府県と同程度に蔓延(まんえん)が進んでおり、これら以外の県においても、都市部からの人の移動などにより、クラスターが各地で発生し、感染拡大の傾向がみられることから、地域の流行を抑制し、特にゴールデンウイークにおける人の移動を最小化する観点から、全都道府県を緊急事態措置の対象とすることとした。
今後、ゴールデンウイークに向けて、全ての都道府県において不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいで人が移動することを蔓延防止の観点から絶対に避けるよう、住民の方々に促していただくようお願いする。また、域内の観光施設などに人が集中する恐れがあるときは、施設に対し、入場者の制限を求めるなど適切な対応をとるよう、お願いする。
繰り返しになるが、この緊急事態を5月6日までの残りの期間で終えるためには最低7割、極力8割の接触削減を何としても実現しなければならない。国民の皆さまには不便をおかけしているが、さらなる感染拡大を防止するため、引き続きの協力を何卒よろしくお願いする。
今回、緊急事態宣言を全国に拡大することによって、すべての国民の皆さまにさらなる協力をいただくことになる。緊急経済対策においては、収入が著しく減少し、厳しい状況にある家庭に限って、1世帯当たり30万円を給付する措置を予定していたが、この際、これに代わり、さらに給付対象を拡大した措置を講ずべきと考える。
今回の緊急事態宣言により、外出自粛をはじめ、さまざまな行動が制約されることになる全国すべての国民の皆さまを対象に、一律1人当たり10万円の給付を行う方向で、与党において再度検討を行っていただくこととする。
この国難ともいうべき事態を乗り越えるため、政府、地方公共団体、医療関係者、専門家、事業者、そして、すべての国民の皆さま、まさに日本全体が一丸となって取り組んでいくしかない。各位にあっては、本日決定した新たな基本的対処方針に基づき、引き続き対策に全力を挙げてもらいたい。