豊作で安値が続いていたキャベツやレタスなどの野菜が値上がりに転じ、一部は平年並みよりやや高値の水準まで上昇していることが、農林水産省が14日発表した野菜販売価格調査で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大により、家庭で食事する「巣ごもり消費」が拡大したことなどが影響したとみられる。
農水省が全国の小売店470店舗の主な野菜8品目の小売価格の動向を調べた。それによると、最新の4月第1週(6日~8日)は、キャベツが前週と比べて12%高く、平年比で5%高の1キロ当たり208円だった。レタスは平年比7%高の476円、トマトやキュウリ、ナスも平年比で7~12%高かった。ネギは平年比13%安だが前週より7%高かった。
野菜価格は1~2月は暖冬の影響で生育が順調に進んだことにより、安値で推移。一時はキャベツが平年比で49%安、レタスも40%安となり、ハクサイやダイコンなども軒並み安値となった。ただその後は収穫時期が早まった分、春先の出荷量が次第に減少したほか、新型コロナで外出自粛要請が続いたこともあり値上がりに転じた。
農水省は「天候不順もなく生産量に大きな変化はないので、さらなる高騰はなく、このまま平年並みの価格で落ち着くだろう」と分析している。
一方、九州で豊作が続くバレイショとタマネギは在庫が多く、平年比でそれぞれ5%安、13%安だった。