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厚労省が不妊治療実態調査 高額化に対応、助成見直しへ

 厚生労働省は4月以降、不妊治療にかかる費用などの実態調査に乗り出す。晩婚化が進み子供を希望する年齢が高くなる中、5.5組に1組の夫婦が不妊治療を受けるとされるが、費用が高額になることから経済的な負担が大きい。厚労省は調査結果を踏まえ、助成額や所得制限の見直しを検討する。

 不妊治療は保険適用外のものが多く、特に体外受精や、顕微鏡をのぞきながら精子を卵子の中に送り込む「顕微授精」は高額で、一般的に1回当たり数十万円に上る。

 国は現在、体外受精や顕微授精を受ける際、初回は最大30万円、2回目以降は15万円を最大6回まで補助している。ただし治療開始時に妻が43歳未満の夫婦で、合計所得が730万円未満であることが条件となっている。17年度の支給実績は約14万件。

 だが、助成額は1998年の調査が根拠になっており、国会でも、「現在の治療費はもっと高額だ」といった指摘が出ていた。

 こうしたことから厚労省は2020年度、治療にかかる費用や、体外受精と顕微授精の件数、実際に妊娠、出産に結び付いた件数などを調査する。結果を踏まえ、助成額や所得制限の見直しが必要かどうかを検討するという。

 不妊治療をめぐっては、公明党が所得制限の引き上げを訴えている。立憲民主党も2月、公的な休暇制度の創設を柱とする提言をまとめた。与野党ともに少子化対策としても注目している。

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