海外情勢

ヘンリー王子夫妻、英王室「離脱」へ 引退は3月末に

 【ロンドン=板東和正】英国のヘンリー王子(35)夫妻が引退の意向を表明した“王室離脱”問題で、夫妻の広報担当者が19日、2人が3月31日に王室の公務から正式に退くと発表した。夫妻は4月以降、王族への敬称「ロイヤル・ハイネス」の使用を辞退し、バッキンガム宮殿にある執務室を失う見通し。

 夫妻は1月8日、主要公務から退く意向を発表。その後、王子の祖母、エリザベス女王(93)が夫妻の意向を容認し、今春に公務を引退することが決まっていた。

 夫妻は引退表明後、王子の妻、メーガン妃(38)が結婚前に住んでいたカナダを主な居住地にしている。ただ、2、3月には英国に帰国し複数の公務を行う予定で、公務から退いた4月以降も定期的に英国を訪れる方針という。王子の王位継承順位は引退後も6位のままで、英軍の階級も失わない。

 一方、夫妻の今後の生活について解決していない課題が山積している。

 主な課題の一つが、夫妻の移住でカナダ政府が負担する警備費用だ。その費用は毎年50万ポンド(約7195万円)程度に上る可能性があり、カナダ国民の大半が負担に反対している。

 また、夫妻は女王から与えられた称号を基にした「サセックスロイヤル」の商標を登録。100近くの品目に使用して、収益をあげることを検討しているとみられている。しかし、ロイヤル・ハイネスの使用を辞退する夫妻が王室を意味する「ロイヤル」を引退後も使用することを問題視する国民も多く、使用許可を出すかどうか王室が協議しているという。

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