実際EC大手のアリババグループでは、傘下のライブコマースプラットフォーム事業者「淘宝直播」の農村ライブを強化、農産品の直接販売を行い大きな成果を上げている。
中国ではトウ小平以来、その「白猫・黒猫」理論、そして「先富論」に基づき、まずは沿岸部の経済発展を推進し、その沿岸部が内陸、貧困地区の経済発展を助けるという施策が進められてきた。
農村問題の解決、「全面的小康社会」建設の成否は、今後の習近平体制にも一定の影響を及ぼすことになる。中国で広がるライブコマースがその切り札となり、中国社会に安定的な発展をもたらすのか、20年に注目したいテーマである。
【プロフィル】森下智史
もりした・さとし 中国トレンドExpress編集長。1998年2月から2015年5月までの17年間、中国・上海に滞在。上海では在留邦人向けのフリーペーパーの編集・ライター、産業調査などに従事。帰国後の18年1月に日中間の越境EC支援会社トレンドExpressに入社し、現職。