【ワシントン=塩原永久】米アマゾン・コムが、米国防総省のクラウド事業受注を逃して起こした米政府に対する訴訟で、「トランプ米大統領が不適切な圧力をかけた」と批判する文書を提出したことが9日、分かった。同省が米マイクロソフト(MS)と契約したのは、アマゾンに損害を与えるためだと指摘。トランプ政権との対決姿勢を鮮明にしている。
米メディアが報じた。アマゾンは訴訟文書の中で、トランプ氏が、同氏に批判的な米紙ワシントン・ポストのオーナーを務めるアマゾンのベゾス最高経営責任者(CEO)を「政敵とみなした」と指摘。
ベゾス氏やアマゾンに損失を与えるため、トランプ氏が「クラウド事業の契約からアマゾンを遠ざけようと公的な場や水面下で攻撃を繰り返した」と述べ、大統領の圧力でMSの受注が決まったと非難している。
国防総省が情報システムの近代化のため100億ドル(約1兆1千億円)規模を投じるクラウド事業は「JEDI(ジェダイ)計画」と呼ばれ、アマゾンが当初優勢と伝わっていた。アマゾンは先月、MSが選定された過程に問題があるとして米政府を提訴していた。