政府・与党は9日、安定した資産形成の支援を目的に株式などの運用益を非課税とする少額投資非課税制度(NISA)の新制度案を固めた。令和6年から、低リスクの投資信託などに投資対象を限定した積立枠(1階部分)と、これまでと同じく上場株式などに投資できる枠(2階部分)の“2階建て”とする。原則、低リスク商品に投資した人のみ上場株式などに投資できるようにし、長期の安定運用による資産形成を後押しする。
12日にも策定する与党税制改正大綱に盛り込む。年間の投資限度額は1階部分を20万円、2階部分を102万円の合計122万円とし、5年間、最大610万円について、配当や分配金、譲渡益といった運用益にかかる税を非課税で運用できるようにする。
2階部分については、リスクが高すぎて資産の形成にそぐわないものを除外する方向で検討する。
現在のNISAは年120万円を投資限度額とし、5年間、最大600万円を非課税としている。5年末となっている投資期限を5年間延長し、新制度へと移行させる。
また、長期積立枠「つみたてNISA」は19年までの期限を5年間延長する。5年までに始めれば20年間、積み立てられるようにする。
一方、自民党税制調査会は9日、第5世代(5G)移動通信システムをめぐり国内産業の育成を後押しするため、関連設備を前倒し整備する通信会社などに対し来年度から税優遇する方針を固めた。