国内

海外子会社使った節税規制へ ソフトバンクGの“抜け道”ふさぐ (2/2ページ)

 SBGがアーム・リミテッド株を取得した際の納税額もわずかだった。海外の子会社からの配当は95%を非課税とする「外国子会社配当益金不算入制度」を活用したためだ。同制度は二重課税を防ぐと共に海外で得た利益を日本に取り込みやすくするねらいで21年度の税制改正で導入された。

 産経新聞の取材に対しSBGは「税務申告にあたっては、税法に従って適正な処理を行った」と説明。組織再編も「当社グループの海外事業における最適な資本関係を実現するため」だったという。

 ただ、財務省の関係者は「一連の行為に違法性はないが、租税回避が目的なのは明らか。株式をグループ内で移動させただけで実態は何も変わっていない」と指摘する。税制改正では再び同様の事態が発生しないよう、子会社が傘下企業の株式を大量に手放して価値が低下した後で売却された場合、損失計算の基準となる簿価も売却額と同程度に修正し、意図的な赤字をつくれなくすることなどが検討されている。(蕎麦谷里志、宮野佳幸)

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