韓国政府は長らく福島など8県産の農水産物の輸入を禁止しており、その他の日本産食品には放射性物質の精密検査をしている。今月には、日本からの石炭灰や廃プラスチックなどリサイクル用廃棄物を輸入する際の検査強化に続き、日本産の一部の加工食品や農産物計17品目に対する検査について、サンプル量と検査回数を2倍に強化することを発表した。
韓国外務省の権世重(クォン・セジュン)気候環境科学外交局長は19日、日本大使館の西永知史公使を呼び、福島第1原発の処理水に関し、海洋放出計画の有無などについて確認を求めた。「放射能汚染水処理の結果が両国民の健康と安全、さらに海でつながる国全体に与える影響を非常に重く認識している」(権氏)との言い分だ。
福島第1原発に関連し、日本はこれまで韓国で“嫌がらせ”としかいえない措置を受け続けてきた。福島県がかかわる行事への反発や妨害がその象徴的なものだ。
日本人としては気分が悪いが、韓国では「福島原発を持ち出せば日本は何も言えない」といった雰囲気がどこかにある。東日本大震災の発生当時「日本沈没」との大見出しを1面トップに踊らせた新聞が複数あった韓国。今も「日本が困るのがうれしくて仕方がない」といった風潮が社会にあることは否めない。
日本に対し放射能カードを切り、「どうだ!」と言わんばかりだが、ただ単に日本国民を不愉快にさせ、韓国への不信感を高めているだけに過ぎない。加えてのGSOMIA破棄だ。大統領が条件付きながらも明言した「日本と手を取る」という言葉は、韓国が連続して悪用したカードで一気に冷めてしまった。