中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が企業競争力を高めようと破格の年俸を提示して優秀な若手人材の確保を進めている。創業者の任正非・最高経営責任者(CEO)が「天才少年」を集めるよう号令をかけており、社内文書によると、最大年俸約200万元(約3000万円)で博士号を持つ新卒者を採用した。
ファーウェイはトランプ米政権による禁輸措置で米企業などとの取引が難しくなった影響を回避するため、半導体やスマートフォン用の基本ソフト(OS)などの調達で外国企業への依存度を減らし、自主開発を進めている。
ファーウェイによると、任氏は6月の社内会議で「今年は全世界から天才少年20~30人を採用し、来年は200~300人の採用を目指す」と表明。米中のハイテク覇権争いを念頭に「今後3~5年で会社の銃と大砲を全て取り換え、この“戦争”に勝たなければいけない」と訴えた。
インターネット上で明らかになった社内文書によると、今年に入り、人工知能(AI)などの分野で博士号を持つ8人の新卒者を年俸約90万~約200万元で採用した。
破格の厚遇の背景には離職率の高さもあるようだ。中国メディアによると、最近5年間で博士号を持つ同社社員の平均離職率は2割を超え、2014年に入社した博士号取得者では6割しか残っていないという。(上海 共同)