国内

軽減税率制度導入まで2カ月 「複雑すぎる」の声 (1/2ページ)

 10月の消費税増税を円滑に迎えるため国税庁が5度目の改定を行った軽減税率制度の「Q&A集」。国税庁の担当者は同制度について「理解は進んでいる」とするが、Q&A集の「問い」は200問を超えている。それだけ複雑な制度であることの表れで、商店街などを取材すると「複雑すぎる」「現場を知らずに作ったルールだ」といった声が聞こえ、混乱も予想される。(蕎麦谷里志)

 「おばあちゃんの原宿」としても知られる東京・巣鴨。巣鴨地蔵通り商店街では和菓子店や茶屋などが数多く並び、お年寄りが小休止できるよう、店内に椅子を置いている店も少なくない。

 軽減税率制度では、持ち帰ったり食べ歩きしたりする場合は軽減税率が適用され税率は8%に据え置かれる。しかし、店内の椅子に座って食べると「外食」と同じ扱いになり10%の税率になる。

 「うちの場合、3個入りのパック菓子を買って、1つだけ店内で食べて残りを持ち帰る人も多い。この場合の税率はどうなるの?」

 軽減税率制度への対応を取材していたら、ある菓子店の男性店主(48)から逆質問を受けた。この場合、セット販売なので「一体」の商品とみなされ、1つを店内で食べるなら3個とも10%の税率になる。ただ、バラ売りのものを3個買えば、店内で食べる1つだけが10%で、持ち帰る2つは8%となる。そのことを伝えると男性は「お客さんにそんな説明できない。複雑すぎる」と苦笑した。

 国税庁の担当者は「説明会などを開いても実務的で細かな質問が増えており、それだけ軽減税率への理解が広がってきている証拠だ」と前向きにとらえる。ただ、自身が販売する商品でも軽減税率の対象になるかどうかを知らない店主もおり、制度への理解は個人差が大きいのが実情だ。

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