国内

貿易休戦の条件 中国「華為の禁輸解除なら」 米中の駆け引き激化

 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による29日の首脳会談を控え、米中双方が駆け引きを激化させている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は27日、習氏がトランプ氏に対し、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への禁輸解除を、合意に向けた前提条件として要求すると報道。トランプ氏は、合意できなければ新たな制裁関税を実施する構えを強調しており、中国側を牽制している。

 同紙によると、習氏はトランプ氏との会談で複数の要求を示す。華為への米製品供給を禁じた措置の廃止や、中国産品に対する制裁関税の取り下げのほか、中国が米農産品などを大量購入するとした従来の約束の撤回などが含まれるとしている。

 トランプ氏は26日、大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせた米中首脳会談で、貿易協議で合意できなければ「追加関税を発動する」と述べ、制裁関税の対象を中国からの全輸入品に広げる考えを改めて表明した。

 華為をめぐっては、トランプ氏が協議で禁輸措置の緩和などを検討する意向を示したことがある。ただ、実際に習氏が多くの条件を提示すれば米国側が態度を硬化させる可能性もある。

 一方、トランプ氏は関税発動を回避する一致点を見いだすことも「可能だ」とも言及し、中国側に歩み寄りを促す駆け引きを展開。また、「この数日、(米中で)協議している」と述べ、両政府が会談に向けた調整を進めていることを明らかにしていた。(塩原永久)

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