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都の下水道技術、国内外に 雨のごみ、低コストで河川へ流入防ぐ

 東京都が民間と共同開発した下水道装置が、全国各地の自治体で広く導入されている。雨が降った際、下水にまざったごみが河川に流れるのを防ぐ独自の技術。電気などの動力を使わず、コストが抑えられるのが特徴だ。欧州にも売り込みを始めており、担当者は「都の技術を活用してほしい」としている。

 都下水道局が民間と開発したのは「水面制御装置」。雨水時の下水を処理施設と河川に流れる管にそれぞれ分岐させる箇所に、形状の異なる仕切り板を2枚設置。水の流れを変えることで渦を発生させ、ごみを処理施設への管に導く仕組み。

 これまで、都は機械式の装置を採用していたが、大きさなどから設置できる場所が限られていた。一方、水面制御装置はステンレス製の板を設置するだけで、メンテナンスはほぼ不要。設置費用は100万円ほどで、機械式が一般的に数千万円かかるのに比べ、コストも抑えられる。

 装置が必要となるのは、雨水と汚水を一つの管で流す「合流式下水道」。下水の処理方法としては初期のもので、下水道の整備が早くに進んだ都市部を中心に採用されている。都によると、既に国内57都市で水面制御装置が導入された。

 さらに、2010年度にはドイツの会社とライセンス契約を締結。同国のほか、フランスでも装置が使われており、今後はロンドンなどの都市部にも売り込みをかける考えだ。

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