海賊版サイトへのアクセスで警告表示へ 総務省が初会合

 総務省は19日、漫画や雑誌などを無料で読める海賊版サイトへの対策を議論する「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止策に関する検討会」の初会合を開いた。海賊版サイトを視聴しようとした際、利用者の画面に警告を示す「アクセス警告方式」を導入し、問題のあるサイトへの接続を抑制することなどを検討する。法制度や技術的な課題を整理し、6月をめどに報告書をまとめる。

 会合には法律家や技術者などの有識者が参加。憲法で保障された「通信の秘密」に抵触しないよう、本人同意の方法を検討する。携帯電話やインターネット利用者から個別の同意を得たり、約款などで包括的に同意を取ったりする場合の法的な問題を整理する。

 出版業界からの参加者は、海賊版サイトへ誘導する「リーチサイト」の最大手からは月間260万ファイルがダウンロードされている推定結果を強調。削除要請しても拒否されたり、削除後に再びアップロードされたりと、いたちごっこが続く窮状を訴えた。

 海賊版サイトをめぐっては、内閣府が昨年、国内から問題のあるサイトへの接続を強制的に遮断する方式などを議論したものの、法的な課題を指摘する意見が相次ぎ、政府は法制化を断念した経緯がある。

 石田真敏総務相は19日の閣議後会見で、「インターネットの自由な利用の確保と、海賊版サイト対策の必要性のバランスに配慮した議論がなされることを期待する」と述べた。