インドネシア・ジャカルタ特別州のアニス知事は、首都の効率的都市運営を目指し、10年以内に交通網拡充を中心に住宅建設も含む大規模インフラ整備事業の計画を進めている。
現地紙ジャカルタ・ポストによると、この計画はアニス知事が、インドネシアのユスフ副大統領が主催し政府高官や首都圏隣接バンテン州知事らが参加する会議で提案して、賛同を得た。
アニス知事は、この10年計画の予算について、605兆ルピア(約4兆7200億円)に上ると試算。インドネシア政府とジャカルタ特別州が負担すべきだと発言した。
「効率的な大都市運営を目指すならば、総延長1100キロを運行しているトランスジャカルタ(バス高速輸送システム)を2149キロに拡張する必要がある。そのためにはバス車両を増やさなければならない」と同知事は説明した。
さらに、ジャカルタ東部を走るジャカルタ軽量軌道交通(LRT)に触れ、「LRTはいま5.8キロの区間で運行されているが、これを130キロ以上に延伸させなければならない。MRT(ジャカルタ都市高速鉄道=地下鉄)は16キロだが、112キロ延伸が望まれる」と指摘した。そのほか、ジャカルタ市内の公共交通手段として2万台のミニバスの必要性を強調した。
住宅建設については、60万戸の建設計画をアニス知事が発表した。
また不備が目立つ上水道について、100%の浄水化を目指すとともに、50%の下水道普及を計画していると語った。(シンガポール支局)