【ワシントン=塩原永久】米国と中国の両政府が3日、米ワシントンで閣僚級の貿易協議を再開する。先月29日まで北京で開いた協議では、焦点の中国による構造改革をめぐる相違が埋められなかった。米政府内では協議の長期化もやむを得ないとの見方も出ており、妥結に向けた機運をつなぎ止められるかが問われそうだ。
トランプ米政権のクドロー国家経済会議(NEC)委員長は2日、ワシントンでの講演で「さらに話し合いが進むと期待している」と述べ、協議進展に楽観的な見通しを語った。ロイター通信が伝えた。
先月の北京での閣僚級協議には、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とムニューシン米財務長官が参加。中国の劉鶴副首相らとの「率直で建設的な議論」(米政府声明)を通じ、最終合意文書の作成に向けた調整を進めた。
ただ、中国による知的財産権保護などの構造問題では隔たりが残り、米政府内に「(妥結まで)長い道のりがある」(商務省高官)との見方が定着。特に合意事項を中国に順守させる仕組みに関して着地点が見えず、クドロー氏も「さらに数週間、数カ月かかっても仕方ない」と交渉長期化の可能性を認めている。
米中は代表団を互いに往来させてきたが、3日からの閣僚級協議では、首脳会談の実現を通じて交渉を最終決着させる道筋をつけられるかが問われる。