きょうから新年度 食品、飲料に値上げの波 働き方転換点

4月から暮らしこう変わる
4月から暮らしこう変わる【拡大】

  • 日本水産の「ニッスイスルッとふたSABAさば水煮」
  • 出光興産(左)と昭和シェル石油のロゴマーク

 4月1日から食品や飲料の値上げの波が押し寄せる。人手不足による人件費や物流費の高騰が直撃。国民年金の保険料引き上げも続き、10月の消費税増税を控えて家計への影響が懸念される。外国人材の就労拡大に向けた新制度が始まり、働き方改革関連法も本格施行。残業時間の上限規制は1947年の労働基準法制定以来約70年ぶりの大改革で、日本型雇用慣行の転換点となりそうだ。

 明治や森永乳業、雪印メグミルクは牛乳やヨーグルトといった乳製品を値上げする。生乳生産量の減少も要因で、主力商品の店頭価格が10円前後上がるとみられる。日本水産は健康ブームで人気が高まったサバ缶の出荷価格を上げ、日清食品チルドは冷蔵タイプの麺商品の値段を高くする。

 コカ・コーラボトラーズジャパンは大型ペットボトル商品を値上げ。1.5リットル入り「コカ・コーラ」の税別の希望小売価格が20円高い340円となる。キリンビバレッジやアサヒ飲料も今後追随し、子育て世帯などに打撃だ。調味料は公益財団法人の塩事業センターの「食卓塩」や、味の素のコンソメなどが上がる。

 公的年金額は賃金や物価の上昇により0.1%引き上げられる。国民年金保険料は月額1万6410円と2018年度比で70円増。国民年金は産前産後期間の保険料納付を免除する。

 税制面は、燃費性能が優れた自動車を優遇するエコカー減税の一部の基準を厳しくする。住宅の購入資金の贈与に対する非課税枠を最大1200万円から、20年3月末まで3000万円に拡充する。

 雇用の関連では、新たな在留資格を設けて外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が施行。働き方改革は罰則付きの残業時間の上限規制が始まる。年収1075万円以上の一部専門職を、労働時間規制や残業代支払いの対象外とする「高度プロフェッショナル制度」も導入される。

 企業をめぐっては、出光興産と昭和シェル石油が経営統合する。ふくおかフィナンシャルグループと長崎県の十八銀行も統合。大阪市の近畿大阪銀行と関西アーバン銀行は合併し、関西みらい銀行が発足する。新日鉄住金が日本製鉄、三井生命保険は大樹生命保険に社名変更する。

 ゆうちょ銀行の預入限度額は3年ぶりの引き上げで1300万円から2600万円となる。原発の再稼働を進めた九州電力は電気料金全体で平均1.3%下げる。