米中協議、長期化も「仕方ない」 クドロー氏、関税の一部撤回示唆

クドロー米国家経済会議委員長(ロイター)
クドロー米国家経済会議委員長(ロイター)【拡大】

 【ワシントン=塩原永久、北京=西見由章】トランプ米政権のクドロー国家経済会議委員長は28日、中国との貿易協議が「さらに数週間、数カ月かかるとしても仕方ない」と述べ、交渉長期化もやむを得ないとの認識を示した。知的財産権保護などに関する合意事項を中国に順守させることが重要だと指摘。中国が歩み寄れば、対中制裁関税の一部撤回に応じる用意があると示唆した。

 クドロー氏は、対中協議は「期限ありきではない。(中国が進める)改革策と合意に拘束力を持たせる枠組み次第だ」と語った。ロイター通信は、協議妥結が6月までずれ込む可能性もあると伝えている。

 一方、クドロー氏は、米国が中国からの広範な輸入品に課した制裁関税をめぐり、「われわれは交渉カードを放棄することはない」と述べつつ、「必ずしもすべての関税を維持するということではない」と強調。中国の対応次第では、一部の制裁措置を解除する準備があるとした。

 米国のライトハイザー通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官、中国の劉鶴副首相らが参加した閣僚級貿易協議は29日、北京で2日間の日程を終えた。知的財産権の保護や国有企業への産業補助金などをめぐる中国経済の構造改革のほか、合意事項の履行状況を検証する仕組みづくりについて妥結点を探ったもようだ。来月3日には劉氏がワシントンを訪れて協議を続ける。ムニューシン氏は29日、北京での協議が「建設的」だったとツイッターで言及した。