日本カジノスクール(東京都新宿区)は26日、大阪・心斎橋筋で4月に開設する「心斎橋教室」(大阪市中央区)を報道陣に公開した。同スクールは昨年4月、難波に「大阪校」を設置しているが、大阪での統合型リゾート施設(IR)誘致実現を見込み、新教室の開設を決めた。
「大阪でIRができると聞き、カジノディーラーに挑戦してみたいと思った。留学経験があり、英語力を生かせる仕事を得たい」
大阪府大東市から教室見学に訪れたという会社員の女性は、設置されたルーレットなどのテーブルを興味深げに眺めながら語った。
心斎橋教室では、3カ月で修了する集中コースや、平日夜間のコースを設置。仕事帰りなどでも学びやすい態勢を整えた。ブラックジャックやルーレットなどの実技のほか、英会話、接遇の作法、ギャンブル依存症対策などについて学ぶことができる。入学から修了までの費用は約60万円。
大岩根成悦校長は「卒業生が海外の大手IR事業者に入社するケースが増えている。事業者には日本でのIR開設をにらみ、日本人幹部を育てる狙いもあるようだ」と明かす。
これまで同スクールを卒業した約740人の受講生の2割程度が、海外のIRやカジノに就職しているという。日本では3カ所のIRが開設される見通しだが、6千人規模のカジノディーラーが必要とされ、人材育成が業界内で急務となっている。
内覧会では、難波の教室で学ぶ生徒らが実技も披露。ブラックジャックで見事なカードさばきを見せた奈良県在住の10代の男性は「20歳を過ぎたら海外のカジノでのワーキングホリデーなどに挑戦したい」と意欲を語った。大阪府豊中市内から通っている女性は「カジノディーラーは業務時間が明確で、男女問わず働けるのが魅力。定年退職もなく、夫も入学を了承してくれた」と笑顔をみせた。