発明や意匠デザインで、生徒や学生が独創性や完成度を競う2018年度の「パテントコンテスト/デザインパテントコンテスト」(主催・特許庁、文部科学省、日本弁理士会、工業所有権情報・研修館、選考委員長=毛利衛日本科学未来館館長・宇宙飛行士)の表彰式がこのほど都内で開かれ、生徒・学生・関係者ら約200人が集まった。応募総数は発明538件、デザイン650件。それぞれ30件、31件の計61件が「優秀賞」を受賞、さらに4件ずつが「主催者賞」に輝いた。同じく、学校も発明が5校、デザインが3校表彰された。
特許庁の嶋野邦彦特許技監が「(このコンテストは)知的財産制度への理解を深めてもらうことにある」とあいさつしたように、特許や意匠の権利化過程も組み込まれた実践学習の場として企画されている。
応募には規定の発明提出書や意匠提出書を作成するが内容や図面などに加え、特許庁の特許情報検索サービス「J-PlatPat」によって調査し、同様の特許や意匠がないことを記載する必要がある。
優秀賞の発明やデザインは希望すれば、弁理士の支援の下、特許や意匠の出願・権利化(登録)、特許庁の早期審査を受け、早ければ1年以内に本物の特許証、意匠登録証が得られる。過去3年で発明91件のうち63件が、デザイン93件のうち91件が権利化された。
権利化の次は活用だ。知財総合支援窓口で活用について相談できるほか、権利獲得後に実際の商品やサービスとなった成功例を特許庁長官賞として表彰する。
19年度の募集は6月中の見込み。
今回の主な主催者賞などは次の通り。(個人名は省略)
【発明】選考委員長特別賞=小型容器分別回収装置(鈴鹿高専)▽日本弁理士会会長賞=伸縮式カヤック(東工大附属科学技術高)▽工業所有権情報・研修館理事長賞=勝手に出ないリップ(香川高専)▽震災復興応援賞=コロニーテント(阿南高専)▽特許庁長官賞=まくわうりの風味を引き出したアイスクリーム(岐阜農林高)
【デザイン】選考委員長特別賞=シャンプーボトル(岩手大)▽日本弁理士会会長賞=朝顔のお茶会(博多工業高)▽工業所有権情報・研修館理事長賞=卓上用テープカッター(上智大)▽震災復興応援賞=メモクリップ(八戸工業大) (知財情報&戦略システム 中岡浩)