【東日本大震災8年】被災地食品、続く輸入規制 24カ国・地域 (1/2ページ)

 ■中韓台、対日・内政が影響

 東日本大震災から8年となる今も、東京電力福島第1原発事故に伴う日本の農水産物・食品に対する輸入規制が、有力市場のアジアを中心に24カ国・地域で続く。中国は日中関係改善の流れを受けて規制緩和の動きを見せる一方、韓国は厳しい姿勢を崩さない。台湾の蔡英文政権は、野党が主導した住民投票の結果に手を縛られている。輸入規制解除への道は、対日関係や内政も絡んで平坦(へいたん)でない。(北京 西見由章、ソウル 名村隆寛、台北 田中靖人)

 中国政府は福島第1原発の事故後、福島や宮城、茨城、東京など10都県の全ての食品と飼料を対象にした輸入停止措置を発動した。中国側は日本の禁輸解除要請に長らく取り合わなかったが、昨年11月末には新潟県産の米に限って輸入を再開した。

 昨年5月に訪日した李克強首相は安倍晋三首相との会談で、禁輸措置を議論する共同の専門家グループを設立することで一致。10月には習近平国家主席が安倍首相との会談で「科学的評価に基づき緩和を積極的に考えたい」と前向きな姿勢を示していた。

 ただ、中国では「食の安全」をめぐる市民の不満が高まっており、批判を恐れる政府は全面的な禁輸解除には慎重だ。

続きを読む