インドネシア・ジャカルタの映画ファンの多くは、好きな映画やテレビドラマシリーズの最新版を、動画が転送・再生できる「ストリーミング」で楽しむようになった。その影響で海賊版DVDの販売店は先細りとなっている。現地紙ジャカルタ・ポストが報じた。
わずか2年前。西ジャカルタのグロドック、南ジャカルタのITCクニンガン、モールアンバサダー、北ジャカルタのマンガドゥア・スクエアなどのショッピングセンターやバスターミナルの近辺、住宅地などでは、海賊版DVD販売店が数多くみられた。
これらの店では、DVDが1枚8000ルピア(約63円)で幅広いジャンルの映画やテレビシリーズを販売していた。ストリーミングの台頭で店でのビジネスが成り立たなくなり、現在は多くが閉店となっている。そんななか、西ジャカルタ・パルメラバラト通りには、店が1軒だけ細々と生き延びている。1日の稼ぎは5万ルピア。11~12年のピーク時の70万ルピアから激減した。
いまや、ネットフリックスやアイフリックスなどがインターネット配信するストリーミングサービスの時代。月額15万ルピアの手頃な価格で幅広い映画やテレビシリーズを鑑賞することができる。また、合法的なストリーミングサービスでなく、違法なストリーミングやウェブサイトのダウンロードが利用されている例も多い。ネットの利用は、庶民にもぜいたくではなくなっている。(シンガポール支局)