世界知的所有権機関(WIPO)は31日、世界的に注目される人工知能(AI)技術の特許に関する初の報告書を発表。特許出願の企業上位10社のうち、日本勢は東芝の3位を筆頭に、NEC(5位)、富士通(6位)など6社を占め健闘した。IT関係や電機や自動車メーカーなどが目立ち、首位は米IBM、2位が米マイクロソフトだった。
AIは近年、機械が自分で最適な答えを探し出す「ディープラーニング(深層学習)」に代表される機械学習や、自動運転に必要な画像認識の技術などが急速に発展。ここ数年で関連特許の申請が急増している。
報告書によると、これまでのAI関連の特許申請は約34万件に上るが、2013年以降に集中している。上位10社の日本勢は他に日立製作所(7位)、パナソニック(8位)、キヤノン(9位)。韓国のサムスン電子も入った。上位20社のうち日本企業は12社だった。
大学や公的研究機関でのAI技術に関する学術論文などの発表件数では、上位20校・機関のうち中国科学院(1位)など中国が半数を占めた。日本は東大だけだった。
報告書はまた、世界でAI分野をリードする人材として、マサチューセッツ工科大(MIT)の研究者ら27人を挙げ、日本からは東大大学院工学系研究科の元橋一之教授が入った。(ジュネーブ 共同)