米調査機関のピュー・リサーチ・センターが11月に発表した世論調査で、日本人の78%が中国に否定的な感情を持っていることが分かった。毎年実施している日本人の意識に関する調査で、中国に否定的な人の割合は2013年調査のピーク以降、徐々に下降しているものの、依然として高い水準にある。一方、日本に対する信用度について行った米など5カ国での調査は、韓国だけが際立った反日の傾向を示しており、最新調査でも中国、韓国との付き合い方の難しさが改めて浮き彫りになった。
中国への反感、依然高く
同センターは米国や世界各国の国民の問題意識や、他国に対する見方や意見に関する調査を手掛けている。日本での調査は電話で5~6月に行い、1016人が回答。
調査によると、中国に対し「とても好ましい」「どちらかといえば好ましい」と応えた人は合わせて17%で、「まったく好ましくない」「どちらかといえば好ましくない」と応えたのは78%。同センターが同じ調査を行った25カ国中、日本は否定的な割合が最も高かった。
中国に対する感情は、日中国交正常化30年の節目に当たる2002年には好ましいが55%、否定的が42%で、好ましいとした人の割合の方が高かったが、その後逆転した。背景には中国の東シナ海でのガス田発掘や、尖閣諸島と周辺海域への中国船の侵入など、日中間や中国と東アジアの間で緊張が高まる事案が次々発生したことなどがあるとみられる。