富裕層申告漏れ670億円 国税庁、51・9%増

国税庁の看板=東京・霞が関(桐原正道撮影)
国税庁の看板=東京・霞が関(桐原正道撮影)【拡大】

 国税庁は29日、平成29事務年度(平成29年7月~30年6月)の所得税などの調査結果を発表した。富裕層の申告漏れ所得は前事務年度比51・9%増の670億円。現在の集計方法になった21事務年度以降で最高となった。

 富裕層を含む全体の申告漏れ所得は同1・7%増の9038億円、追徴税額は同7・6%増の1196億円。調査件数約62万3千件のうち約38万4千件で申告漏れなどがあった。

 東京国税局は、男性会社員に民泊で得た所得の申告漏れ約2600万円を指摘し、約700万円を追徴した。独自開発したプログラムで仮想通貨を取引した男性会社員には約5千万円の申告漏れを指摘、約2400万円を追徴した。

 個人事業者の消費税では約6万2千件の申告漏れなどが判明。追徴税額は前事務年度より21億円増え322億円だった。