【シンガポール=吉村英輝】ニュージーランド政府は28日、同国大手通信事業者のスパークから出されていた、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムへ中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の製品を使う計画を退けた。ロイター通信が伝えた。
現地メディアによると、スパークは、「国家安全保障上の重大な危険」を理由に当局から28日、不許可を告げられたと説明。ファーウェイ製品の使用は断念したが、2020年7月からの5G通信網立ち上げは、計画通りに進めるとしている。
隣国のオーストラリア政府も今年8月、同国の5G通信網の整備に、ファーウェイや同じく中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)の参加を禁止する決定を下している。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは今月22日、不正な通信傍受や意図的な遮断など安全保障上の脅威にさらされかねないとの懸念から、米政府が、日本など同盟国に対し、ファーウェイの製品を使わないように求める説得工作を始めた、と報じていた。
【12月7日追記】
■アメリカ、中国封じ込めに躍起 ファーウェイCFO逮捕、ハイテク覇権の火種拡大 を読む
■米中貿易戦争、再び激化は不可避 90日休戦期間にも圧力強化、中国態度硬化へ を読む