RCEP首脳会合 来年に合意目指す方針確認 共同声明「進展を歓迎」

RCEP首脳会合に臨む安倍晋三首相=14日、シンガポール(代表撮影・共同)
RCEP首脳会合に臨む安倍晋三首相=14日、シンガポール(代表撮影・共同)【拡大】

 日中韓やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の首脳会合が14日、シンガポールで開かれ、来年の妥結を目指す方針を確認した。会合後に公表した共同声明で「今年の交渉の実質的な進展を歓迎」との文言を盛り込んだ。年内の実質的な妥結を目指し協議してきたが、関税撤廃や知的財産権保護などのルール作りで参加国の隔たりが埋まらなかった。

 首脳会合には日本から安倍晋三首相らが出席した。交渉は2013年から始まり、18の交渉分野のうち、これまで「経済技術協力」といった5分野で合意していたが、12日の閣僚会合で「衛生植物検疫措置」など、新たに2分野で合意したことも明らかにした。

 交渉筋によると、中国製品の流入が増えるとしてインドが幅広い関税撤廃に難色を示した。また、電子商取引などで高水準のルール整備を求める日本やオーストラリアと、緩やかなルールを求める中国なども折り合えなかった。トランプ米政権の保護主義的な通商政策に対抗するため、一時は妥結に向けた機運が高まっていた。(シンガポール 大柳聡庸)