中国、北部へのLNGタンクコンテナ輸送試験

海南省の洋浦港でLNGタンクコンテナを搭載する輸送船。試験が成功すれば中国南部から北部への新たなLNG供給ルートが構築される(中国新聞社)
海南省の洋浦港でLNGタンクコンテナを搭載する輸送船。試験が成功すれば中国南部から北部への新たなLNG供給ルートが構築される(中国新聞社)【拡大】

  • トラックで運ばれてきたLNGタンクコンテナ(中国新聞社)

 中国海洋石油集団傘下の気電集団はこのほど、液化天然ガス(LNG)のタンクコンテナ船による輸送試験に着手した。LNGターミナルが多い中国南部から、冬季の暖房使用で需要が高まる中国北部へLNGを送る有益な試みとなる。

 中国海洋石油は国内第2の天然ガスサプライヤーで、国内トップのLNG輸入企業。今回の試験は海南省の洋浦港、山東省の竜口港、遼寧省の錦州港、中国天然気集団、海南省の海口海●(ほう)物流などと共同で実施する。第1便はLNGタンクコンテナ130個を搭載し、洋浦港から北上した。タンクコンテナ1個当たりの気化能力は2万5000立方メートルで、中国北部の暖房使用ピーク時にも500世帯に5日分を提供できるという。

 中国で輸入LNGは、これまでのエネルギー源の調整役といった役割から、主力エネルギーの一つへと昇格しつつある。ただ、LNGターミナルは主に南部にあり、冬季には北部で不足する。現行のパイプラインや液体タンクローリーによる輸送では、南部の豊富な能力を生かすことができていなかった。タンクコンテナによる輸送方式の大規模化、実用化が進めば、海上LNG輸送の大動脈が形成される。

 中国海洋石油は、今回の試験が成功した後には内陸河川を利用したタンクコンテナ輸送にも乗り出したいとしている。(中国新聞社)

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