対中制裁関税、きょうにも表明 米紙報道 税率は10%に

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 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は15日、米トランプ政権が中国からの年2000億ドル(約22兆円)相当の輸入品に関税を上乗せする対中制裁について、17日か18日に表明する方向だと報じた。制裁発動日は11月の中間選挙前までの「数週間内」に設定される見込みとしている。

 関係者によると、詳細は検討が続いており、「トランプ大統領が考えを変える可能性もある」という。

 米中両政府は再開を検討している閣僚級協議の日程を27、28日とする予定。トランプ政権は、協議前に2000億ドル相当の制裁関税を表明し、中国に圧力をかける狙いがあるとみられる。協議は中国の劉鶴副首相らが訪米し、ムニューシン米財務長官らと会談する。

 一方、追加関税の税率は10%前後とする。トランプ氏は8月、当初10%とした税率を25%に引き上げると表明したが、年末商戦期を控え、米消費者への影響を和らげるため引き下げる。米政府は衣料品など約6000品目の関税対象品リストの原案を公表し、今月6日まで産業界の意見を公募。追加関税で国内販売価格が上昇するとして、米企業などから消費を冷え込ませる懸念が指摘されていた。

 米政権は中国の知的財産侵害を理由に、既に計500億ドル相当に25%の追加関税を課す制裁を発動。米企業への技術移転強要などの不公正な取引慣行を、中国が改めようとしないとして、2000億ドル相当の制裁準備を進めてきた。(ワシントン 塩原永久)