太陽光発電施設【拡大】
環境省は、全国で急増する大規模太陽光発電所(メガソーラー)に対し、法律に基づく環境影響評価(アセスメント)を義務付ける方向で検討する。森林を伐採して建設する自然破壊が各地で相次ぎ、一定の歯止めをかける狙いだ。どれぐらいの施設規模からアセスの対象にするかが焦点で、早ければ来年秋にも導入を目指す。
太陽光発電は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まった2012年以降に急増。メガソーラーを含む出力10キロワット以上の非住宅設備に絞っても、12~16年度に原発30基分に近い2875万キロワットが導入された。
一方、林野庁によると、太陽光発電の施設を造るため16年度に開発が許可された森林面積は約2600ヘクタールと、12年度の約12倍に上る。地域トラブルも増え、茨城県坂東市や三重県松阪市、大分市などでは、森にすむ希少な鳥や昆虫を守ろうと住民らが反対運動を展開。静岡県富士宮市では、富士山の景観を壊すと抗議の声が上がった。
独自の対応に乗り出す自治体も。環境省によると、今年6月時点で山形県や長野県など全国49自治体が、メガソーラーを環境アセスの対象にする条例を制定済み。発電施設が周辺の自然環境にどう影響するか分析し、対策を検討するよう事業者側に求めている。