小林氏によると、ただでさえ日本メーカーの技術開発は遅れている上に、フィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソンなど欧州通信機器大手が中国の抜ける穴を埋めるべく、先行して米国市場へ食い込む動きを活発化しているからだという。
巻き返すには「日本での(無線インフラ整備などの)実績を示す必要がある」(小林氏)が、ハードルは高く、厳しい戦いになりそうだ。
大和総研の広野洋太研究員は、さらに米国が2000億ドル分の制裁関税を発動すれば、日本の国内総生産(GDP)は0.02%押し下げられると分析する。通商摩擦の激化で世界の2大市場である米中の景気が後退し、日本は輸出や企業の設備投資、消費などが落ち込むと想定されるためだ。2大経済大国の貿易戦争は、日本にとってもやはりマイナス影響が大きい。(山口暢彦)