中国が景気を下支えするため、今年下半期に積極的な財政政策へ転換する方針を固めた。国営新華社通信が、7月31日の中国共産党政治局会議の決定として伝えた。
中国経済の現状について、会議は「新たな問題と挑戦に直面し、外部環境にも明らかな変化が生じている」と指摘。貿易をめぐる米中対立が激化し、経済運営への打撃が避けられないとの認識を強くにじませた。
対策としては、財政出動による地方のインフラ(社会基盤)整備など公共投資の拡大を図る。金融緩和などを通じて内需の拡大を促す構えだ。雇用や投資の安定を重視するとしており、外資系企業の保護にも言及した。
景気優先の方針は、産業構造の改革や過剰債務の削減を進めてきた習近平指導部の既定路線を転換するものだ。
財政出動の規模は明らかでない。中国は2008年のリーマン・ショック後、世界経済の低迷に対処するため4兆元(当時のレートで約57兆円)の財政出動に踏み切っていた。(中国総局)