復興予算、使い残し3割 道路整備の遅れも影響、1兆1206億円を年度内に執行できず

吉野正芳復興相=復興庁(市岡豊大撮影)
吉野正芳復興相=復興庁(市岡豊大撮影)【拡大】

 復興庁は31日、平成29年度に東日本大震災の復興予算として計上した3兆3082億円のうち、33.9%に当たる1兆1206億円を年度内に執行できず、使い残したと発表した。道路整備やかさ上げ工事で地元住民との合意に時間がかかり、遅れが生じたことなどが影響した。

 未消化分のうち7341億円分は30年度予算に繰り越しが決まっており、29年度の執行額と合算した「執行見込み額」は復興予算額の88.3%に相当する2兆9217億円となる。

 使い残し額を事業別に見ると、住宅再建やまちづくりの6091億円が最多。東京電力福島第1原発事故に伴う除染や風評対策などは3170億円を、中小企業支援など産業再生も719億円を執行できなかった。

 政府は、震災から10年間の事業財源として32兆円を確保し、23~29年度の7年間で27兆4千億円を支出している。

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