ロシア石油大手、日本など提訴 「資源開発事業『サハリン1』めぐり不当収入」 (1/2ページ)

極東サハリン沖の資源開発事業「サハリン1」の陸上掘削基地(エクソンネフテガス提供・共同)
極東サハリン沖の資源開発事業「サハリン1」の陸上掘削基地(エクソンネフテガス提供・共同)【拡大】

 ロシア国営石油最大手ロスネフチは24日までに、極東サハリン沖の資源開発事業「サハリン1」をめぐり、不当な収入を得たとして、日本の官民が出資する資源開発会社を含む5社に総額約890億ルーブル(約1500億円)の支払いを求め提訴した。

 サハリン州の裁判所が20日に訴えを受理した。提訴が、日露が進める資源開発事業や他の投資案件に影響を与える可能性もある。

 事業関係者によると、サハリン1の参画企業と隣接する油田を管轄するロスネフチとの間で原油の生産分配に関する摩擦が生じていた。水面下で協議を続けたが折り合えず、ロスネフチが提訴に踏み切ったもようだ。

 菅義偉官房長官は24日の記者会見で「サハリン1は重要なプロジェクトだ。事実関係の把握に努めつつ、関係者間の協議を見守りたい」と述べた。事業関係者は「原油取引に直接影響を与えることはない」としている。

 ロスネフチのセチン社長はプーチン大統領の最側近の一人。経済の国家統制の必要性を訴えており、「闇の実力者」と目されている。同社は欧米の対ロシア経済制裁の影響で資金調達が制限されており、こうした状況も今回の提訴の背景にありそうだ。

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