日本や中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)などの16カ国が交渉する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合が1日午前、東京都内で開幕した。安倍晋三首相が冒頭で交渉加速を促し、世耕弘成経済産業相は「簡単ではないが、政治的意志とやり方次第で年内妥結は実現可能だ。妥結に向けた道筋を付けたい」と呼び掛けた。
ASEAN以外での閣僚会合開催は初めて。首相は米通商政策を念頭に「保護主義への懸念が高まる中、アジアが一丸となって自由貿易の旗を掲げ続けることができるかが世界から注目されている」と強調した。
RCEPは関税引き下げや投資促進のほか、知的財産保護や電子商取引のルール整備など計18分野を交渉対象としている。実現すれば世界の人口の半分、国内総生産(GDP)は約3割をカバーする経済圏が誕生する。
世耕氏は開幕に先立ちオーストラリアのチオボー貿易・投資相と個別に会談した。前日にもインドネシアなどの閣僚と相次いで会談し、地ならしを急いでいた。