【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は18日、中国からの2千億ドル(約22兆円)相当の輸入品に10%の関税を課す新たな制裁措置を準備するよう米通商代表部(USTR)に指示したと発表した。米国が来月発動する対中制裁に対し、中国が報復措置で応じた場合、実施するとしている。米中の貿易対立が一段と先鋭化しそうだ。
米政権は15日、中国による知的財産侵害に対抗するため、500億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を7月6日から順次、適用すると決めた。中国はこれに対して、同額の報復関税を同日から実施すると発表した。
ホワイトハウスが発表した声明によると、トランプ氏は「残念ながら中国は米国からの輸入品の500億ドル相当に関税を課すことを決めた」と、中国の報復表明を批判。「中国の不公正な慣行を変更させるには、さらなる行動をとらねばならない」と強調した。
トランプ氏は「中国が米国の知財や技術を得る不公正慣行を変える意図がないのは明らかだ」と非難。中国が知財侵害を改め、報復措置を取り下げない限り、新たな2千億ドル相当の制裁を発動する方針を示した。