OECD18年見通し 日本、1.2%成長に下方修正

 経済協力開発機構(OECD)が30日に発表した世界経済見通しは、日本の2018年の実質国内総生産(GDP)の伸び率を前年比1.2%と予測した。3月時点から0.3ポイント下方修正。18年1~3月期の実質GDP速報値が内需の低迷でマイナス成長となったことなどを踏まえた。ただ貿易や企業投資が牽引(けんいん)し「経済成長の傾向は変わらない」(OECD関係者)とした。

 19年の成長率見通しは0.1ポイント上方修正し1.2%とした。日本では急速に進行する高齢化に直面する中、歳出の抑制や消費税率の段階的な引き上げが必要と指摘した。

 一方、世界経済の成長率は18年を3.8%と予測し、3月から0.1ポイント下方修正した。保護貿易主義の台頭や、原油高をリスク要因として指摘。19年は3.9%と据え置いた。米国の18年、19年の成長率予測はそれぞれ2.9%、2.8%と変えなかった。

 ユーロ圏の成長率は18年が2.2%と前回から下方修正。19年は2.1%と変えなかった。中国は18年が6.7%、19年が6.4%と3月時点の予測を据え置いた。(パリ 共同)