【大学発 日本 人と技術】日本を支える研究活動と技術開発

調印を終えた丸泉琢也副学長(左)と東海大学の吉田一也副学長
調印を終えた丸泉琢也副学長(左)と東海大学の吉田一也副学長【拡大】

  • 第7ステージでオープニングラップの先導車を務めた「Wing」

 ■耐震構造の木製源泉槽 キャンパス内温泉に採用

 ≪金沢工業大学≫

 白山麓キャンパス(石川県白山市)内に教育研究を目的に今月オープンした 、はくさん比●(ひめ)の湯温泉「比●の湯」の源泉槽に、地元白山地区の杉を使った木製源泉槽を採用した。この木製源泉槽は、建築学部建築学科の後藤正美教授の研究室(木構造、耐震工学)と日本木槽木管(横浜市)との耐震構造に関する共同研究の成果が設計に反映されており、森林資源の活用による地方創生の取り組みとして期待されている。引き続き日本木槽木管と木製源泉槽の耐久性などに関する実証研究を進めるとともに、木槽内部の漆塗りの抗菌性と保温性に関しても、バイオ・化学部応用化学科 土佐光司教授の研究室(環境工学)が日本木槽木管と共同研究を進める予定。

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 ■東海大学と研究交流包括協定を締結

 ≪東京都市大学≫

 東海大学と研究交流に関する包括協定を締結した。協定に基づき、研究施設・設備の相互利用、研究会・セミナー開催による情報交換、研究者の交流や共同研究などを推進する。

 調印式を5月11日に行った。協定の期間は2018年4月1日から21年3月31日まで。両大学は、文部科学省と国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が、研究設備・機器の共用体制を高めるために実施する「先端研究基盤共用促進事業(新たな共用システム導入支援プログラム)」に採択されている。大学間で協定を結び、協力関係を一層深めることにした。

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 ■IoT時代の新AIコンピューター素子 モノ側で人工知能処理

 ≪東京理科大学≫

 工学部電気工学科の河原尊之教授は、小面積ながら高い認識精度を達成できる新しい人工知能(AI)コンピューター用半導体素子の実現手法を開発した。

 1、0、-1の3値を使ってニューラルネットワークを構成して高い認識精度を実現し、これをFPGA(再構成可能な半導体チップ)に実装するときには0を配線の省略によって表現することで素子数と配線数を低減する。その結果、実数値を使う理想方式とほぼ変わらない高い認識精度を実現し、精度は低いが面積は最小といわれている2値(1と-1)を使う方式よりも小面積でできる見通しを得た。これにより電力や搭載サイズの制限が厳しいモノ側に適したAI組み込みコンピューター半導体素子の実現が期待され、モノからの情報が急増するIoT(モノのインターネット)社会の持続可能な発展に寄与できるとしている。

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 ■地域連携技術研究協力会を設立

 ≪広島工業大学≫

 「広島工業大学地域連携技術研究協力会(HITスクエア)」をこのほど設立した。地域産業との交流を促進し、産官学連携を強化するとともに、同大の研究成果や技術研究などを通して産業振興、地域の活性化、人材育成などに貢献するのが狙い。

 広島市中区のホテルで行われた設立総会には、会員企業の代表や教職員ら約170人が参加。続いて開かれた記念講演会では、パナソニックのモノづくり研修所の登和則所長が、「松下幸之助創業者とモノづくり」と題して講演した。

 HITスクエアは、電気・電子、機械、建築、情報システム、環境・土木、食品・生体の6部会で構成される「産業技術研究部会」を設置し、さまざまな活動を行う予定。鶴衛学長は「企業にどのような課題があり、本学がどのように関わっていくか、会員企業としっかり意見交換し、広島の地域創生につなげたい」と話した。

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 ■ソーラー車両が自転車ロードレースに登場

 ≪工学院大学≫

 ソーラーチームの学生たちが製作し、2017年にオーストラリアで開催されたソーラーカーの世界大会に参戦した車両「Wing」が、チームのサポート企業であるNTNが冠協賛する国内最大規模の自転車ロードレース「NTN presents 2018 ツアー・オブ・ジャパン」(大会期間:2018年5月20~27日)の第7ステージ・伊豆コース(5月26日開催)に登場し、オープニングラップの先導車を務めた。

 車両には、NTNがソーラーカー用に開発した特別仕様のセラミックベアリングが搭載され、走行後にはワークショップ「NTN回る学校」で、実車展示や世界大会に参戦したチーム学生よるトークセッション、子供向けにソーラーカーの仕組みを説明するアトラクションなどを行い子供たちに“ものづくり”の楽しさを伝えた。

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 ■「卵落としコンテスト」で新入生を歓迎

 ≪大阪電気通信大学工学部≫

 基礎理工学科は、毎年恒例の新入生歓迎イベント「卵落としコンテスト」を6月1日(金)に開催する。A2サイズのケント紙1枚、はさみ、ものさし、セロハンテープなどを使って卵を守る緩衝器を製作し、卵が割れないように高さ約18メートルの学舎5階から落とす競技。物理などの科学知識だけでなく、アイデアやモノづくりのセンスも問われ、毎年盛り上がりをみせている。新入生は22チームに分かれて製作を開始し、卵を割らずに、目標に最も近い位置に落下させたチームに最優秀作品賞が授与される。卵が割れても、卓越したアイデアの作品にはアイデア賞、目標にぴったり着地した作品にはホールインワン賞、見事なプレゼンテーションを行ったチームにはプレゼン賞が贈られる。

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 ■プログラミングなど公開講座開催

 ≪埼玉工業大学≫

 プログラミングなどの全9種類の一般市民向け公開講座を6月に開催する。同公開講座は、生涯学習委員会が主催する地域連携活動として毎年埼玉県深谷市のキャンパス内で開催しており、どの講座も定員を上回る多数の市民が受講しているという。

 今年は特に、今、注目の高まるプログラミング関連の講座を3種類開催し、英会話や科学・技術、仏教など幅広い分野のテーマに関し、各分野の専門家である同大の教員が中心となり、身近な話題を分かりやすく解説する。参加者は事前(1週間前まで)に申し込みの上、無料で受講できる。詳細は同大ホームページ(https://www.sit.ac.jp/media/koukaikouza30.pdf)へ。

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【ガイド】

 工学院大学    E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学   E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学   E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学   E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学   E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学   E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学   E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@mc2.osakac.ac.jp

 金沢工業大学   E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学   E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学   E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学   E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学   E-mail:kikaku@sit.ac.jp

●=口へんに羊