自動化は仕事の14%奪う OECD分析「若者雇用の脅威」

 人工知能(AI)やロボットといった自動化技術の進展が仕事の1割超を奪う可能性がある-。経済協力開発機構(OECD)は16日までに、加盟国のうち日本を含む27カ国を対象にこんな分析をまとめた。高度な技術を必要としない仕事や若者の雇用が脅かされるとして、職業訓練の充実といった政策対応を求めた。

 27カ国の平均で、全体の14%の仕事は高い確率で自動化され、機械が取って代わると指摘。これは6600万人を超える雇用に相当するという。加えて、32%の仕事は自動化で大きく変化し、計46%の仕事に影響が及ぶと説明した。

 機械に置き換えられる可能性が高い仕事がどの程度あるか国別にみると、スロバキアが34%で最も高く、日本は15%、米国が10%など。影響の大きい職種としては製造業、建設、清掃、調理補助、運輸などを挙げた。

 こうした分析を踏まえ、OECDは職業訓練の強化が必要だと強調。27カ国の平均で40%の労働者が職業訓練を受けているが、多くは1年で数時間にすぎないと懸念を示した。

 自動化で初歩的な仕事がなくなり若者の職が危険にさらされているとも警告。技術革新に合わせた教育システムが欠かせないと主張した。

 自動化が見込まれる業種では既に給料が低下するなど「遠い将来の現実ではなく、既に雇用に織り込まれている」との見解も示した。(ロンドン 共同)