農産物関税撤廃とZTE制裁緩和を交換条件か トランプ大統領、中国との取引に意欲

中国湖北省のZTE販売店=2012年(AP)
中国湖北省のZTE販売店=2012年(AP)【拡大】

 【ワシントン=塩原永久】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は14日、米政権が、中国が米農産物に関税を課した報復措置を撤廃することと引き換えに、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)への制裁を緩和する検討に入ったと報じた。同紙は関係者の話として「合意に近づいている」としている。

 トランプ米大統領は14日のツイッターへの投稿で、「ZTEは大部分の部品を米企業から購入している」と強調。ZTEに対する部品供給を禁じた米制裁措置の停止や緩和が、「中国の習近平国家主席と協議しているより大きな通商取引」の一環だと述べた。

 ロス米商務長官も14日の講演で、ZTEに対する制裁について「極めて速やかに代替策を探る」と述べ、制裁緩和を検討していることを示唆した。

 米中両政府は今週、通商問題を協議する閣僚級の第2回公式会合を米首都ワシントンで開く予定。同紙は一方で、対中政策をめぐって米政権内で意見が割れていると伝えており、米中が互いの要求項目を認め合う交換条件が成立するには曲折も予想される。協議では米制裁で主力製品スマートフォンの生産・販売が停止したZTEへの対応も主要議題となる。