米財務長官、対日FTA推進を強調 訪中も「検討」

21日、米ワシントンで記者会見するムニューシン財務長官(塩原永久撮影)
21日、米ワシントンで記者会見するムニューシン財務長官(塩原永久撮影)【拡大】

 【ワシントン=塩原永久】ムニューシン米財務長官は21日、米ワシントンで記者会見し、日米首脳会談で合意した新たな貿易協議を通じ日本との2国間の自由貿易協定(FTA)締結を目指す考えを示した。トランプ大統領の「2国間協定が望ましい」との立場を確認し、FTAを推進する米政府の方針を強調した。

 ムニューシン氏は、相手国と「より互恵的になることを求めている点を強調しておく」と述べ、米国が抱える貿易赤字削減を重視する考えを改めて表明した。

 20日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、参加国から鉄鋼の輸入制限など米国の一方的な措置を念頭に保護主義への懸念が続出したが、「保護主義ではない」と指摘。米国と貿易相手の競争条件を同等にし、「米企業も外国で製品を売る機会を得るためだ」と反論した。

 北朝鮮に対しては「最大限の圧力を継続する」と述べ、北の違法な金融取引の阻止に力を入れる考えを強調。北朝鮮が核実験などの中止を表明したことに関しては、検証可能な形で履行されない限りは「制裁を続ける」とした。

 また、貿易摩擦で関係が悪化している中国への訪問を「検討している」と述べた。時期は明言しなかったが、対立激化の回避に向けて中国との協議に前向きな姿勢を示した。

 中国商務省は22日、ムニューシン氏の訪中検討について「歓迎する」とのコメントを発表した。

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