米シリコンバレーから外国人技術者流出? ビザ厳格化「居続けたいが…」 (1/3ページ)

米シリコンバレーの一角、パロアルトにある「ユニバーシティーアベニュー」。名門スタンフォード大に近く、IT技術者らが集まるカフェなどが並ぶ=12日、米カリフォルニア州パロアルト(住井亨介撮影)
米シリコンバレーの一角、パロアルトにある「ユニバーシティーアベニュー」。名門スタンフォード大に近く、IT技術者らが集まるカフェなどが並ぶ=12日、米カリフォルニア州パロアルト(住井亨介撮影)【拡大】

  • 「米国に居続けたい」と話す、シリコンバレーのIT企業で財務マネジャーを務めるアシュウィン・ナラインさん=12日、米カリフォルニア州パロアルト(住井亨介撮影)

 移民政策をめぐって厳しい態度を取り続けるトランプ米政権下で、IT技術者らが多く取得する「H-1Bビザ」の発給が厳格化されている。世界をリードする米国のIT産業を支えてきた外国人技術者らには不安が広がり、ビザ取得が容易なカナダなどへ移住を希望する人々も出始めている。(米カリフォルニア州パロアルト=住井亨介)

 「より良い機会と文化を求めてやってきた」

 IT企業が集積するシリコンバレーの会社で財務マネジャーをしている、インド南部出身のアシュウィン・ナラインさん(30)はこう話した。

 大学卒業後に渡米し、MBA(経営学修士)を取得。順調にキャリアを伸ばしてきたが、トランプ政権となってから雲行きが怪しくなってきた。インド人の友人らとの会話でも話題になるのが「H-1Bビザ」のことだ。

 H-1Bビザは2016年度まで30万人前後(延長含む)に認められてきたが、17年度は申請者の減少もあって20万人程度にとどまるとみられている。申請は国を挙げてIT産業の育成を進めているインドからが多く、米国土安全保障省・市民権移民局によると、取得者の約7割がインド人だ。

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