国際通貨基金(IMF)は17日、最新の世界経済見通しを発表した。米国の経済成長率を2018年が2.9%、19年が2.7%とし、それぞれ今年1月時点から0.2ポイント上方修正した。トランプ米政権による巨額減税などの積極的な財政政策が景気を押し上げると見込んだ。日本や世界全体の見通しは据え置いた。
IMFは「先進国は潜在力を上回るペースで成長し、新興国と途上国の成長は一段と堅固になる」と分析した。ただ、鉄鋼の輸入制限に代表される米国の保護主義的な政策や、中国による米国への報復措置が「世界経済の脅威になる」と指摘した。
世界全体の成長率は18、19年ともに3.9%と予想した。日本は18年が1.2%、19年が0.9%で、17年の1.7%から徐々に景気が減速するとみている。中国は18年が6.6%、19年が6.4%とし、今年1月時点の見通しを維持した。
世界経済の順調な拡大を背景に、世界全体の貿易量の予想を引き上げた。18年は前年比5.1%増、19年は4.7%増とした。(ワシントン 共同)