【専欄】要人たちのユーモアセンス ノンフィクション作家・青樹明子 (1/2ページ)

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 今年の中国全国人民代表大会(全人代)は、中国の今後を決定づける大きな案件がめじろ押しだった。メディアは連日特別報道態勢で臨んでいたが、そんな中“要人たちのユーモアセンス”に注目が集まった。

 まずは、中国人民銀行・周小川総裁(当時)。金融監督体制刷新についての会見を終え、席を立った総裁に、記者が大声で問いかけた。「総裁、後継者はどなたですか?」。周氏はにこりと笑い、こう答えた。「当ててごらん」。(その後の発表で後継者は、易綱副総裁と判明)

 厳しい発言が目立つ王毅外相の言葉も、記者たちの笑いを誘った。会見終了後、退席する王氏に、某紙記者の声が、ひと際大きく響き渡った。「外相、中国とバチカン市国は、いつ外交関係が樹立されるのですか?」。バチカン市国との外交樹立は、敏感な問題である。王氏は、はははと笑い「あなたは急ぎたいようだね」と応じ、会場は笑い声に包まれたという。

 中国の要人たちは、常に厳格な表情を堅持し、怖いイメージがある。しかしその実、ユーモアのセンスはかなり高い。

 1978年に故・トウ小平氏が米国を公式訪問したときのことである。カーター大統領(当時)が強い口調でトウ氏に提言した。「中国政府は米国への移住を希望する人数に制限を設けるべきではない」

即座に「分かりました」と答え…

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